日本共創カウンセリング学会
寄稿文
登園を嫌がる園児への対応
橋本圭介
対応を考える前に基本的に園児には登園拒否する権利があります。こう書くと「ええ?こどもに登園拒否する権利なんかあるの??」という声が飛んできそうですが、あります。1989年に国連採択の「児童の権利に関する条約」では、児童の意見表明権を保障しています。その際、児童の年齢及び発達段階において考慮されることが書いてあります。日本は1994年にこの条約に批准していますので締約国としてこの条約を遵守する義務が発生しています。これを前提にします。
とはいえ、園児の好き勝手にさせることとは違います。園児はその時の気分などで突然言い出したります。その時は「まあ、そんなもんだな!」くらいに受け止めておきます。
登園してからも泣いているのは、泣く理由があります。それをしっかり拾っていくことです。泣いていることが問題ではなく、泣く理由が問題です。きっとなにか困ったりつらいことがあるのです。だから泣いている。まずは、泣いている本人に:
①泣いてもいいよ!と受け入れて
②泣いている理由は何か?を聞き出して
③泣いていると疲れるし、つらいよね!みんなと遊ぶと楽しいよ!と誘う
④保護者に園での様子をしっかり説明し、自宅ではどうなのかを確認します。
おそらくそこにズレがあると思います。
園児も保育者もロボットではありませんから、その場の雰囲気や気分でコロコロ変わります。それでいいじゃないですか! その園児はきっと泣くことで自分の気持ちに決着をつけようとしているのではありませんか? そう考えると泣いている意味が変わってきます。
泣き方や泣いている時間を1か月ぐらい記録を取ってみましょう、何か法則性があると思います。
毎日泣いているわけではないでしょうから、「泣いていない日」の前後の習性を確認し、それがわかったらそういう日を増やしていくことです。